
ソフトバンクグループの孫正義社長【拡大】
ソフトバンクグループが10日発表した平成29年3月期連結決算は、売上高が前期比0.2%増の8兆9010億円、最終利益が前年比約3倍の1兆4263億円だった。最終利益が1兆円台に乗ったのは初めてで、2年ぶりに最高益を更新した。
事業会社で利益が1兆円の大台を突破したのは、トヨタ自動車に続いて2社目とみられる。
本業のもうけを示す営業利益は12.9%増の1兆259億円。スマートフォンの契約数が増えるなど国内通信事業が堅調に推移。子会社の米携帯電話大手スプリントもコスト削減が奏功し、収益が改善した。
保有株式の売却を進めたことも収益を押し上げた。30年3月期の業績見通しについては配当金以外開示しなかった。
決算発表とともに、注目を集めたのが、ソフトバンクグループの総帥で日本の通信業界をけん引する孫正義社長の言動だ。
孫社長は決算説明会で、スプリントを絡めた業界再編について「さまざまな可能性を積極的に検討する」と述べた。スプリントの合併相手について、孫氏は「本命は(スプリントと同業の米携帯電話大手)TモバイルUSだ」と強調した。