宅配便最大手のヤマト運輸が進めているインターネット通販など大口顧客1000社との値上げ交渉で、個人顧客よりも大きい平均15%以上の運賃引き上げを目指していることが14日、分かった。9月末までに交渉をまとめたい考え。大口顧客に多くを負担してもらうことで、荷物の急増と人手不足で厳しくなっている労働環境を改善する。
ヤマトが4月末に発表した個人を対象にする基本運賃は、荷物のサイズに応じて税抜きで140~180円値上げする。値上げ率は平均15%で10月1日に実施する。
荷物の量に応じて割引運賃が適用されている大口顧客には、個人よりも大きな値上げを要請している。
ドライバーへの負担が重い当日配送には割増料金の設定も検討する。ネット通販大手アマゾンの当日配送は撤退を視野に縮小している。
大口顧客を含む法人との取引は、ヤマトの宅配便取扱量の約9割を占める。この中でも割引率が大きく採算が悪い1000社を対象に優先的に交渉を進める方針で、7割以上と既に交渉に入った。取扱量が特に多いアマゾンとはトップ同士の直接交渉で実現を目指す。
ヤマト首脳は4月末の記者会見で「1000社の中には、かなり大きな値上げをお願いする顧客もいる」と説明していた。