出光興産は5日、韓国の化学大手、LG化学と次世代パネル「有機EL」材料の特許を相互利用する提携に合意したと発表した。有機ELは薄型テレビやスマートフォンで採用が進んでおり、双方の技術補完で省電力化や長寿命化を進めて普及を後押しする。
出光は有機ELを構成する赤・青・緑の3色の発光材料のうち青色の高機能材料に強みを持つ。
一方、LG化学は発光材料の周辺材料を得意とする。両社は一部の特定分野で特許を相互利用し、新材料の開発につなげる考えだ。
出光は2009年にLGグループのディスプレー事業などと戦略提携で合意。LGエレクトロニクスが13年から投入している大型有機ELテレビに材料が採用されている。LG化学にも提携を拡大して開発で先行を狙うほか、新材料は別のディスプレーメーカーへの販売も視野に入れる。
有機ELは映像を表示する部材が少ないため、薄型で軽量のディスプレーをつくることができる。
薄型テレビのほか、米アップルが年内に投入予定の次世代「アイフォーン」にも採用される見込みだ。