ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と十八銀行が経営統合の時期を再延期するのは、公正取引委員会の承認を得られるめどが立たないためだ。人口減少や日銀のマイナス金利政策で地銀を取り巻く経営環境は厳しさを増している。合従連衡は生き残りのための手段の一つだが、両行が統合を断念するような事態になれば、他行の経営戦略や業界再編にも影響する可能性がある。
「厳しい収益環境に適応して持続可能なビジネスモデルを確立していく上で、地銀の統合や提携は経営戦略上の選択肢の一つだ」。全国地方銀行協会の佐久間英利会長(千葉銀行頭取)は強調する。
人口減による市場縮小に加え、日銀のマイナス金利政策に伴う利ざやの縮小などで地銀の収益は低迷が続いている。一方で、地銀の数はなお100行を超えるオーバーバンキング状態で、経営効率化や競争力強化に向けた再編は避けて通れない。
公取委は、ふくおかFGと十八銀の統合について、統合後に県内シェアが7割になることを問題視している。銀行側が一方的に貸出金利を引き上げたり、貸しはがしなどをしたりする恐れがあるためだ。大和総研の内野逸勢主席研究員は「(県内で)公正な競争を維持するという公取委の考えは理解できる」と話す。
ただ、こうした公取委の姿勢に「シェアの問題をクリアするには域外の銀行と統合するしかないが、それでは重複する店舗の統廃合といった効率化は見込めない」(東北地方の地銀)と反発する声も少なくない。