茨城大とNECは21日、人工知能(AI)が河川の画像を分析して、氾濫の危険度を判断する実証実験を始めた。水戸市内を流れる川にカメラを設置し、水位などが変化する画像をAIに学習させる。実験は来年秋までの予定で、数年後の実用化を目指す。
九州北部の豪雨など集中豪雨や台風で河川が氾濫し大規模な被害を引き起こすケースが増える中、迅速で正確な予知が課題となっている。実用化されれば、現場での危険な目視作業の削減も期待できそうだ。
茨城大のグループは水害発生時の河川の特徴を研究している。この蓄積データとNECのAI技術を組み合わせて氾濫の危険度を分析する。降雨時の河川の膨大な画像をAIに記憶させ、水位や水の色の変化などから氾濫の危険度を割り出すという。
大学側では、土砂崩れ対策への活用も検討。防災システムとの連動も視野に入れている。