インターネット上で取引される仮想通貨「ビットコイン」は1日夜、二つに分裂し、ビットコインに加えて「ビットコインキャッシュ(BCC)」と呼ばれる新たな仮想通貨が誕生した。複数の取引所関係者が明らかにした。多くの取引所は同日、引き出しや預け入れといったサービスを順次停止し、分裂に乗じた不正や混乱に備えた。
今回の分裂騒動は、システムの処理能力向上を巡る事業者間の対立で、中国のグループが新しい規格をつくったことが原因だ。管理者がいないことが今回の対立を生み出した側面があり、本格的な普及に向けて課題を示した。
国内最大手の取引所を運営するビットフライヤーは1日、ビットコインの引き出しを停止。フィスコ仮想通貨取引所やビットポイントジャパンも同日、預け入れと引き出しを休止した。ビットバンクやBTCボックスは7月31日にコインの出し入れを止めた。
新たな仮想通貨は分裂するまでのビットコインの取引記録を基にして枝分かれするため、ビットコインと同じ数のBCCが誕生した。大半の取引所は、ビットコインの保有者に同数のBCCを付与する方針だ。