石油元売り、2社減益 4~6月期、在庫評価損響く

東京都内のガソリンスタンド=4月
東京都内のガソリンスタンド=4月【拡大】

 石油元売り大手3社の平成29年4~6月期連結決算が14日、出そろった。全社が増収を確保したが、原油在庫の評価損が響き、JXTGホールディングス(HD)とコスモエネルギーHDは最終減益となった。

 4月にJXHDと東燃ゼネラル石油が経営統合して発足したJXTGHDの最終利益は190億円。合併前のJXHDの前年同期に比べ、27・8%減の落ち込みとなった。期中に原油価格が下落傾向となり、高値で仕入れた原油在庫の価値を見直した影響で、評価損286億円を計上したことが利益を圧迫した。

 コスモエネルギーHDも在庫評価損83億円を計上して減益。出光興産は評価損はあったものの、石炭などの価格改善が資源開発部門の業績を押し上げて増益を確保した。

 各社とも在庫影響を除く業績は堅調に推移した。原油価格の水準は昨年よりも高く、国内の石油製品市場もほぼ横ばいで安定。製油所の定期修理などで需給環境が改善し、ガソリンなどの利幅が広がっている。

 30年3月期の通期業績予想は原油価格の安定傾向などを反映し、3社とも据え置いた。

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