一方、既に開発が大詰めを迎えているのが、東京都大田区の中小企業が開発を進める「下町ボブスレー」。ジャマイカ代表チーム向けのそりに使われる約300個もの部品加工が7月から本格化している。9月上旬には新型そりが完成し、ジャマイカ代表チームに引き渡される。
リオでは卓球台
これまでも五輪には、数多くの日本の中小企業が“参加”している。16年のリオデジャネイロ五輪で使われた卓球台は、卓球台製造の三英(千葉県流山市)が開発したもの。「Infinity」(インフィニティー)の商品名で、X字型の脚部が印象的だ。この脚部は東日本大震災で被災した岩手県宮古市産の木材を使い、高級家具メーカーの天童木工(山形県天童市)が製作を手がけた。
また、ゴム製品製造のミカサ(広島市西区)が手がけるバレーボールは、国際バレーボール連盟が主催する、20年までのバレーボールとビーチバレーボールの大会で唯一の公式試合球として使用されることが決まっている。
選手だけでなく、日本の中小企業にとっても、五輪はひのき舞台。大会の表からも裏からも支えることで、世界での存在感を高めている。