【ハザードマップ】国産螺旋管／ゾディアック　好調期こそ「守り」考えた経営を (1/2ページ)

　▼国産螺旋管　国産螺旋（らせん）管は８月４日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。

　同社は螺旋管の専門メーカーで、ステンレス製螺旋管製造シェアでは国内トップクラスに位置する。

　製品の用途は通信用、住宅設備機器用、光学用、医療用、レーザー機器用、農機具用関係など多岐にわたる。２００５年に開設した中国工場をベースに米国や欧州連合（ＥＵ）をはじめ世界各地に販売ネットワークを構築し、ピークとなる１６年３月期には売上高約９億５０００万円を計上していた。

　しかし、積極的な設備投資や海外展開に伴う運転資金の需要は旺盛で、以前から資金繰りは多忙化していた。

　開発費や設備投資を借り入れでまかない、年間売上高を上回る有利子負債を抱えるなどして余裕のない資金繰りが続く中、経費の見直しなど収益改善の取り組みを進めたが業況は改善せず、今回の措置となった。

　▼ゾディアック　ゾディアックは７月１９日、東京地裁から破産開始決定を受けた。同社は、１９９９年５月に渋谷１０９を中心とした人気アパレルブランド「ＥＧＯＩＳＴ」を展開するエゴイストグループの商品仕入れ部門が独立する形で設立された。

　ギャル系ファッションブランド「ＤＵＲＡＳ（デュラス）」などをプロデュースしていたアセットナイン（旧デュラス）（今年６月に破産）などグループ会社の仕入れ窓口として機能するほか、婦人服の卸売りなどを手掛け、２００９年８月期には売上高約６９億２９００万円をあげていた。

　しかし、為替デリバティブ契約に伴う多額の損失が発生し、財務内容が急激に悪化した。そうした中で、取引の中心となっていたアセットナインが事業の縮小や再編を進めたため、ゾディアックの売上高も１６年８月期は約８億８５００万円にまで落ち込んだ。

　アセットナインが東京地裁から６月に破産開始決定を受けたことで、今回の措置となった。