
武将スーツの特徴【拡大】
戦国武将をモチーフにした男性用オーダースーツを、大阪市の紳士服メーカーが次々に商品化している。平成26年に第1弾となる「真田幸村スーツ」を発売して以降、全国の歴史ファンから注文が舞い込み、今では武将スーツを年2本のペースで展開。今月1日には第6弾の「上杉謙信スーツ」も登場し、進出地は全国に広がってきた。
販売しているのは大阪と東京に店舗を構える「NFL」(大阪市北区)。製作費はインターネットを通じて資金を募る「クラウドファンディング」で調達している。商品開発にあたっては武将の子孫に協力を仰いだり、ゆかりの地の特産品を取り入れたりして、単なる武将グッズとはひと味違う特徴にこだわってきた。
「家紋や筆跡の使用は、他の紳士服メーカーがまねできない」とNFLの川辺友之社長(46)は語る。
謙信スーツ開発では上杉家の流れをくむ旧米沢新田(しんでん)藩の9代目当主、上杉孝久さん(65)=東京在住=と会い、協力を得た。裏地に家紋(竹に雀)や戦場で旗印として掲げた毘沙門天の「毘」と「龍」の字を縫い上げ、謙信が治めた新潟の特産品「小千谷ちぢみ」のポケットチーフをあしらった。
「北条氏康スーツ」には神奈川県小田原市の「箱根寄木細工」をボタンに採用するなど、それぞれのスーツに伝統工芸の技を生かし、地場産業を支援する思いを込めた。購入者の大半は、ゆかりの地の住民と全国の歴史ファンで占めるという。