政府系金融機関の商工中金は22日、公的制度「危機対応融資」の不正問題について、内部調査に携わっていた複数の担当者が、過去に不正に関与していたと発表した。不正に関与した職員もこれまで判明した99人から数百人規模に拡大するとみられ、9月末としていた調査結果の公表は1カ月程度遅れる。コーポレートガバナンス(企業統治)の欠陥は明らかで、経営責任や監督責任を問う声が強まりそうだ。
商工中金によると、これらの職員は直接不正に直接携わったり、部下の不正を黙認したりしていた。不正を自己申告しなかったため、内部調査の担当に選ばれた。口座の調査過程でこれらの職員が関与していた疑いが高まり、本人に確認したところ事実を認めたという。担当者らが調べた口座は、今後再調査する。
この問題をめぐっては、外部の有識者らでつくる第三者委員会が全22万件の危機対応融資の一部を抜き出して調査しただけで35支店で816件の不正が発覚。条件を満たさない企業に不正融資を実施していたと指摘した。現在は職員約600人に弁護士10人、会計士100人を加えた700人態勢で、全融資に対象を広げ調べている。