□ホールマーケティングコンサルタント LOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一
■新たな価値の創造で産業の進化促進を
あるデータによると、10月の全国の一円パチンコの平均稼働(アウト)は約1万7000個であったらしい。1時間のパチンコ機の発射玉数を5500個、1日の営業時間を13時間として単純計算すると、稼働率は約23.8%となる。日本国内のホテルの客室稼働率は、今年6月の全国平均で58.6%(宿泊旅行統計調査:観光庁)。全日本空輸(ANA)の9月の平均搭乗率が70.5%(ANA広報部資料)であることなどと比較すると、いかに低いかがお分かりいただけるだろう。低額投資で気軽に遊ぶことができるパチンコを目指して誕生した一円パチンコですらこのような状況にある。
「低欲望社会」とも言われる現代社会において、パチンコは消費者の価値観の変化に対して残念ながら十分に適応できていないと言わざるを得ない。遊技支出が問題にされることも多いが、一円パチンコのこの状況を見れば「安くすればなんとかなる」というわけではなく、本質的なパチンコの面白さをこれまで以上に大胆に追求すべき時期であることは明白だ。
手順としては、パチンコホールの努力もさることながら、パチンコの面白さを生み出す直接的設備であるパチンコ、パチスロなどの遊技機が、何よりも早く、かつ大胆に変化する必要があるだろう。