同じ日の朝日新聞朝刊では、「我慢強い人が多い福島ですけど、今度だけは、ね。東京電力や原発を進めてきた政治家たちに怒りの声を張り上げたい」と心境を寄せた。
西田の尋常ではない怒りに、驚いたのは仕事上で付き合いのある映画関係者。「西田さんは、会見やPRイベントではリップサービスやファンへの気配りを忘れない細やかさで知られている。ふだんは見せない素顔です。でも実際は、仕事に厳しく、妥協は許さない性格。ふるさとを汚された憤りから、ほとんど表面には出さない、厳しい性格の部分が思わず出てしまったのでしょう」と話す。
西田といえば、終了した主演映画の「釣りバカ日誌シリーズ」はじめ、映画やドラマで長年、重要な役を演じ続けている、屈指の芸達者。
「演技に妥協はない。相手が超大物であっても臆せず自分をぶつけていくからこそ、観客も納得する。仕事ができない役者には愛のムチもふるう、と聞く。生まれ持っての熱血漢なんです」(ベテラン演劇評論家)
会見でも心が伝わってこない菅首相は、西田の叫びをどう聞くか。