【新トップ】NTT新社長に鵜浦氏 強い使命で新たな航路の開拓も

2012.5.12 05:00

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 「若干の航路の変更で済むものもあれば、新たな航路を開拓することもある」

 豪腕で鳴らす次期社長は「かつてない強いプレッシャーと使命感」で、通信業界を取り巻く環境の激変に対応しきれていないNTTグループのかじ取りに意欲を燃やす。

 一見すると実直な官吏タイプだが、光サービスやベンチャー投資事業など新規事業に携わることが多く、社内の評価は「尻込みせずに部下を率いていく」と、親分肌の面も持ち合わせる。南アフリカの情報サービス会社を買収した際は、当初は条件が折り合わずに諦めかけたが、3年間もかける粘り強さで成功に導いた。

 三浦惺社長の右腕として光回線設備の分割阻止や、NTTグループの請求書の一括発行といった難題を実現。三浦社長が「決断力も実行力もある」と絶賛するその手腕に、競合他社は「手ごわいリーダーが登場した」と警戒する。

 野球観戦が好きで、NTTグループが活躍する社会人野球はもとより、西武ライオンズのファンでもある。(芳賀由明)

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【プロフィル】鵜浦博夫氏

 うのうら・ひろお 東大法卒。1973年日本電信電話公社(現NTT)。2002年取締役、常務を経て08年6月副社長。石川県出身。