吉野家HD新社長に河村氏 20年ぶりトップ交代、ブランドイメージ改革

2012.6.27 05:00

吉野家ホールディングス(HD)の新社長に就任する河村泰貴取締役(左)と安部修仁社長=26日、東京都千代田区の東京商工会議所

吉野家ホールディングス(HD)の新社長に就任する河村泰貴取締役(左)と安部修仁社長=26日、東京都千代田区の東京商工会議所【拡大】

 吉野家ホールディングス(HD)は26日、取締役会で安部修仁社長(62)が代表権のある会長に就任、新社長に河村泰貴取締役(43)が昇格する人事を決定したと発表した。9月1日付。同社の社長交代は20年ぶり。主力業態の牛丼チェーン「吉野家」が苦戦を続けるなか、トップの若返りで店舗や商品、ブランドイメージの改革を急ぐ。

 事業会社の吉野家はHDの社長と兼務している安部社長が継続するが、HDの取締役会議長には河村氏が就く。

 26日、都内で会見した安部社長は交代理由について、「狙いは世代交代。新陳代謝を図る」と述べ、同席した河村氏は「置かれている環境は大変危機的状況にあると認識している。吉野家はブランドイメージをしっかり立て直す」と抱負を語った。

 吉野家HDの2012年2月期連結決算は、売上高が2期連続の減収となる1658億円(前期比3.2%減)、営業利益は6.2%減の48億円。主力の国内吉野家事業は2期連続の減収増益で、直近では中食などとの競合激化から5月の既存店売上高が前年同月比10.5%減と厳しい状況となっている。

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【プロフィル】河村泰貴

 かわむら・やすたか 広島県立広島皆実高卒。1993年、吉野家ディー・アンド・シー(現吉野家ホールディングス)入社。2007年、はなまる代表取締役社長。10年吉野家HD取締役。大阪府出身。