発売前から3度の増刷がかかり、12日には深夜0時のカウントダウンイベントまで行われた村上春樹さんの新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文芸春秋)。その勢いのままに感想や書評がネットにあふれ出しているが、一方で行列に首をかしげたり、その現象的考察も行われている。今週は「ハルキ狂騒曲」を取り上げる。
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「村上春樹の新刊発売カウントダウン。行列凄(すご)くて、すごすご退散」「こんな行列作るのは、村上春樹とiPhoneくらいだわ」(ツイッターから)
そのiPhoneなら、「発売日に手に入れないと在庫切れになるかも」という、行列に並ぶ分かりやすい理由があるのだが…。
「ラーメン店の行列は並ばなければ食べられない。村上春樹の行列は並ばなくても買えるのに並んで買う。行列の意味が違うのかもしれない」。別のユーザーは「村上春樹の作品は『流行なんてどうでもいい』みたいな主人公像。深夜に行列つくってまで読む人が好きな話なの? なんとなく結びつかない」。