【ビジネスアイコラム】新国立競技場から描く首都の未来図 (1/2ページ)

2013.10.29 05:00

 東京の幹線道路である青山通りから明治神宮外苑に向かうイチョウ並木は、首都の美しいシンボルロードの一つである。北の方向に歩いて行ったその先には、明治天皇の業績を描いた絵画が展示されている聖徳記念絵画館がある。

 こうした光景を撮影した写真が大型スクリーンに映し出され、絵画館を見下ろすような巨大な建築物が浮かび上がる。2020年の東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の完成予想図を合成したものだ。

 日本を代表する建築家である槙文彦さんが、日本建築家協会の機関誌に投稿したのがきっかけとなって、シンポジウム「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈から考える」が10月初旬、開かれた。

 建て替えられる予定の国立競技場に近い会場に近づくと、満員であふれ、第2会場でパブリックビューイングを観た。

 神宮外苑は1926(大正15)年12月、9年の歳月を費やして竣工(しゅんこう)した。国民の献金によってほとんどの費用が賄われた。槙さんは「新宿御苑や青山霊園などにつながる広大な緑地帯である。歴史的な文脈が考えられていない」と述べる。デザインのコンペが問題をはらんでいた点も指摘する。国際的な建築の受賞者に応募者を限定して若い才能を排除し、周囲の環境を含めた模型がないと。

 パネリストの首都大学東京教授の宮台真司さんは「知識社会の民主主義の原則は専門家と自立した個人と共同体が議論を重ねるところにある」という視点から、新競技場のデザイン決定は粗雑であると言い切る。

 新競技場の建設をきっかけとして、東京都は都市計画審議会にかけて、外苑地区の都市計画を大きく変更している。風致地区のこの地域は、建物の高さが15メートル以下であり、容積率などによって再開発は制限されてきた。新競技場のデザインに合わせるように、この周辺の高さは75メートルに緩和されたばかりか、近隣地区も30メートルと80メートルになった。ちなみに銀座の街並みは高さ60メートルである。

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