淡路島地震の発生前に観測された現象。FM波や短波などを観測し、地震予測の可能性を探る動きにも注目が集まっている【拡大】
東日本大震災以降、地震予知への信頼が揺らいでいる。大きな被害も想定される南海トラフ巨大地震でも、国は「地震観測による予測は難しい」としている状態だ。一方で、今月横浜市で開催された日本地震学会で、4月13日に発生した淡路島地震(マグニチュード6・3)を「予測した」との発表が行われた。この事例を通し、地震予知の意義について考える。(編集委員 北村理)
淡路島地震の“兆し”をキャッチ
《「淡路島地震」は23日程前から異常が確認され、4月7日に平常に戻ったため、地震の予測として期日は、4月13日頃、マグニチュードは6、場所は姫路から貝塚市方面(淡路島方向)と予想することができた》とする記述が地震の当日、アマチュア無線技士らによる地震観測ネットワーク「JYAN研究会」(大分県国東市)の会員用ホームページ上に掲載された。
同会は地上のFM波や短波などを観測し、地震予測の可能性を探っている。FM波については沖縄から横浜まで21局のネットワークを展開し、84放送局のFM電波を観測している。