【生かせ!知財ビジネス】弁理士が守る地域の無形財産

2014.2.1 05:00

「地域ブランド監理監視機構」の設立に尽力した佐藤辰彦弁理士。知的財産を守るという弁理士の新しい挑戦でもある

「地域ブランド監理監視機構」の設立に尽力した佐藤辰彦弁理士。知的財産を守るという弁理士の新しい挑戦でもある【拡大】

 日本弁理士会は1月24日、国内各地のブランドを模倣品被害から守ることを目的とする「地域ブランド監理監視機構」を立ち上げた。特許や商標の出願業務が弁理士の仕事というのが世間一般の認識だったが、これまでの枠を越えた新たな活動に注目したい。

 弁理士会によると、同機構は「ご当地グルメでまちおこしの祭典! B-1グランプリ」で知られる、愛Bリーグ本部やご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会とご当地グルメを活用した地域おこし活動における模倣品対策に協力する協定を締結し、発足した。

 「機構の運営は協議会方式で、要請があれば(協議の上で)他団体などの参加を受け付けていく」と佐藤辰彦弁理士(元弁理士会会長)はいう。ちなみにB-1の「B」意味は「B級グルメ」ではなく、「地域BRAND(ブランド)」の「B」だという。

 近年、全国各地で町おこし、地域おこしが活発化する中で、グルメ以外にもご当地産品の模倣品が増加している。地域ブランド品は地域で培われてきた、いわばアイデンティティーに根ざした無形財産でもある。模倣品によるただ乗り商法や粗悪な模倣品は、地域の無形財産を侵害し、ひいてはブランドの破壊につながりかねない悪質な行為だ。しかし実は一般の経営コンサルタントなどではなかなか難しい分野で、無形財産の一つである知的財産専門家の弁理士が立ち上がった意義は大きい。

 そもそも機構を立ち上げた発端は、東日本大震災と福島原発事故の後に開始した弁理士会の復興支援にある。被災地では特許などの出願支援だけでなく、被害地の塩害対策に使える特許・技術の探索や、風評被害を打破するための商品ブランド形成など一歩踏み込んださまざまな形の支援が一生懸命模索され、実行された。そんな活動の一つとして弁理士会は、福島県浪江町の「なみえ焼そば」(まちおこし団体名=浪江焼麺太国)に対してチームを作り、支援してきたことが、今回立ち上げにつながった。

 7、8年前だが中国で、日本の地域名や産品名などを使った中国産品が続出したとき、中国国家工商行政管理総局の幹部に取材した。謝罪の弁は一切なく「もし中国の地名などを使って外国で同じことが起きたら、徹底的に戦う」と言った。弁理士会もぜひ、その意気で臨んでもらいたい。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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