STAP現象の検証計画について会見する、理化学研究所の丹羽仁史プロジェクトリーダー。左端は坪井裕理事、中央は相沢慎一特別顧問=7日、東京都千代田区(財満朝則撮影)【拡大】
STAP細胞が本当に存在するかを調べる理研の検証チームは7日、東京都内で会見し、詳細な実験計画を公表した。論文不正の判明で細胞の存在は大きく揺らいでおり、実験を再現できるかは不透明だ。
検証実験は理研発生・再生科学総合研究センターの相沢慎一特別顧問が責任者を務め、論文共著者の丹羽仁史氏が実験を担当する。本来は担当すべき小保方晴子氏は「実験できる精神状況にない」(相沢氏)として、検証チームには参加させない方針を示した。
相沢氏は「存在すると信じて検証するのではない。これだけ疑義があるので、本当に存在するかは、やってみないと分からない」と慎重な姿勢を示した。
検証実験は、紫外線を当てると細胞が光るように遺伝子操作したマウスを作り、リンパ球や肝細胞を抽出し、弱酸性溶液で刺激してSTAP細胞を作製。これを受精卵(胚)に注入して育てた胎児の全身の細胞が光るかを調べ、細胞の万能性の有無を確認する。
実験は1300万円の経費を投じ、約1年間かけて行う。成功した場合はノウハウを公表し、第三者機関による再現を待つ。相沢氏は「成功すれば即座に研究者対象の講習会を開催する」と語った。
ただ、成功した場合の判定は容易だが、細胞が存在しない場合は、どの段階で「ない」と見極めるかは困難だ。相沢氏は「なぜできないのかを期限内で説明するのは、極めて難しいだろう」と話した。