世界文化遺産の登録が決定してから一夜明け、富岡製糸場では雨の中多くの観光客でにぎわった=22日、群馬県富岡市【拡大】
カタールのドーハで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は21日、日本政府が推薦した「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)を世界文化遺産に登録することを決定した。日本国内の世界遺産は昨年の「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(山梨、静岡県)に続き18件目。近代産業遺産は初めてで、明治期の高い技術革新が世界に認められた。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、西欧からの最新技術を導入して1872年に設立された富岡製糸場と周辺の養蚕関連施設の計4件で構成。富岡製糸場のほかに、近代養蚕農家の原型である「田島弥平(たじま・やへい)旧宅(きゅうたく)」▽養蚕技術の教育機関「高山社跡(たかやましゃあと)」▽岩の隙間から吹く冷風を利用して蚕の卵を貯蔵した「荒船風穴(あらふねふうけつ)」-がある。
文化庁によると、世界遺産委員会では富岡製糸場など4資産について「和洋折衷という日本特有の産業建築様式の卓越した事例」などと評価する決議が採択され、登録が決まった。