世界162カ国から3万人のボーイスカウトが集まるキャンプ大会「世界スカウトジャンボリー(WSJ)」が来年夏、山口県のきらら浜で開かれる。日本での開催は1971年の静岡・朝霧高原以来で、44年ぶりのこと。政財界を挙げて支援する態勢づくりを急いでいる。
開催までちょうど1年となる7月30日にキックオフの記者会見を開くそうだ。会見が予定されているのは森喜朗元首相と御手洗冨士夫・元経団連会長。WSJを支援する「日本委員会」で森氏が総裁、御手洗氏が会長を務めるためだ。
実はこのお二人、2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会の組織委員会では御手洗氏が会長で森氏が副会長、20年の東京オリンピック組織委員会では森氏が会長、御手洗氏が名誉会長を務める。世界が注目するビッグイベント3つを一手に引き受ける役回りを担う。そのホップ、ステップ、ジャンプと続くイベントの第1弾がWSJというわけだ。
1971年のWSJは日本が高度経済成長の真っただ中にあったこともあり、財界を挙げて支援した。石坂泰三・元経団連会長自身がボーイスカウト日本連盟の総裁でもあった。当時、青少年育成や社会奉仕を標榜(ひょうぼう)する団体は少なく、政府も財界もボーイスカウトを応援しやすかったのだろう。大会は大成功を収めた。
まだまだ海外旅行が難しい時代、世界中から集まったスカウトたちは直接見た日本の印象を自国へ持ち帰った。日本といえば安い工業製品のイメージばかりが先行していた。日本人の素顔や文化を世界に広め、日本ブランドを売り出す役割を果たしたのは間違いない。
日本国内からも多くの青少年が参加したが、その中には少年だった豊田章男・トヨタ自動車社長もいたという。その後、政財官界で活躍する多くの国際人もこの大会から巣立っていった。たくさんの外国人と直接触れ合う貴重な機会だったのだ。