特許権の潜在的なライセンス先や権利侵害者を探索するのに用いる関連・類似特許の調査作業に適したオンラインリサーチツール「アンバースコープ」(AS)が11月、日本に上陸する。開発・提供したのはオーストラリアのベンチャー、アンバーサイト(メルボルン)だ。
同社はこれまで豪州や欧米の企業を中心にトライアルを続けてきた。ドリス・スピルデナー最高経営責任者(CEO)は「いよいよASを全世界にリリースするときがきた。グローバル知財競争の時代に入った今、世界の知財先進国の一つである日本企業が知財の国際活用力を維持、向上させるために不可欠なツールとなることを祈っている」と話した。
ASの特徴は日米欧をはじめ世界30カ国・地域の特許の引用・被引用関係データを基に、(1)アンバーサイト独自の方法によるランク付け、(2)ユーザーインターフェースへの高い可視化技術の活用-にある。調査対象特許に関連性を持つ特許群から類似度や重要度の高い特許を簡便に抽出でき、解析結果を一目見るだけで状況を把握し、さらに分析すべき特許の絞り込みへと進める。
例えばASを使ってある特許Xを解析する場合、特許Xの出願人が参考に引用した特許(特許Xの先行特許)と特許庁の審査官が特許Xの審査に引用した特許、特許Xより後の他の出願人や審査官が特許Xを引用した特許(特許Xの後行特許)、さらには引用された各先行・後行特許の前後に枝葉のように連なる引用関係特許群、これらを網羅したネットワークマップが生成される。