文化庁に28日入った連絡によると、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に提案している「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」について、事前審査を担うユネスコの補助機関が登録を求める「記載」の勧告をしたことが分かった。過去の事前審査で記載勧告された提案が覆されたケースはなく、ユネスコの政府間委員会が11月下旬にも登録を正式決定する見込みだ。
記載勧告された「手漉和紙技術」は、「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)、「本美濃紙(ほんみのし)」(岐阜県美濃市)、「細川紙(ほそかわし)」(埼玉県小川町・東秩父村)の3紙の技術で構成。原料に「楮(こうぞ)」の樹皮のみを用いる伝統的な製法により、丈夫で風化しにくいなどの特色がある。
このうち石州半紙は、平成21年に無形文化遺産に登録されているが、政府は25年3月、本美濃紙と細川紙を加えた「和紙」の技術として登録し直すよう、拡張提案していた。