【モナコ=佐野慎輔】国際オリンピック委員会(IOC)は8日、モナコで臨時総会を開き、中長期改革案「五輪アジェンダ2020」の40項目のうち、開催都市が追加種目を提案できる権利などを承認した。夏季五輪で最大28となっている競技数の上限は撤廃され、2020年東京五輪・パラリンピックで、日本で人気が高い野球・ソフトボールの実施競技入りが有力となった。
臨時総会には104人のIOC委員のうち96人が出席し、1項目ずつ挙手で採決した。9日の総会でも五輪改革案の審議を行う。
開催都市は「選手数1万500人以下、種目数310以下」の範囲内で、複数の追加種目を提案できるようになる。ホスト国の人気競技を加えることで、開催機運の盛り上がりや、テレビ放映権、チケット販売などの面で大会の増収が期待される。
東京五輪の追加種目候補は、08年北京五輪以来の実施を目指す野球・ソフトボールが最有力とみられ、空手やスカッシュも意欲を示している。大会組織委員会は今後、日本オリンピック委員会(JOC)や国際競技団体などの意向を踏まえて、追加種目を提案する予定。早ければ、来年7月のIOC総会(クアラルンプール)で決まる。
また、大会コストの削減策として、競技会場は「既存施設を最大限に活用」するとし、夏季、冬季を問わずに競技の一部を他都市や他国で行うことを認める案を承認した。
近年は五輪の肥大化が嫌悪され、「招致熱」が下がっている。当初、6都市が立候補していた22年冬季五輪招致では、オスロなど4都市が経済的理由などで撤退。アルマトイ(カザフスタン)と北京に絞られ、18年平昌(韓国)五輪から夏季を含めて3大会連続のアジア開催が確定している。
今回の改革で、分散開催や他国との「共催」に道が開かれることになり、建設資材の高騰などから会場計画の見直しを迫られている東京五輪や、平昌五輪で検討されている、そり系競技の国外開催案にも影響することになりそうだ。