IPBC日本で講演する正林真之氏=2014年9月、東京都千代田区のホテルオークラ東京【拡大】
特許事務所大手の正林国際特許商標事務所(東京都千代田区)は今年、企業が保有する特許権のライセンス先や譲渡先、協業先などの探索サービスを本格化させる。国内の事務所は従来、発明・発掘から特許出願・権利獲得へと至る知財創造・保護分野を本業とし、知財活用分野に注力するのは珍しい。今後の動きが注目される。
正林真之所長は「既に大手自動車会社から休眠特許の活用先探索を受託したのをはじめ、大手、中小企業とも国内外でニーズが拡大している。外国企業の依頼も多く、中国企業が増えている。日本進出戦略の一環として日本企業の特許分析を活用しているようだ」と言う。既に2014年9月に東京で開催した知財ビジネス会議(IPBC日本)、同12月には中国・上海のIPBCアジアに参加し、海外での事務所の知名度向上やネットワーク充実を図っている。IPBCには世界の知財活用専門業者や企業の知財関連実務者らが集まる。
探索サービスでは、例えば特許データを用いた解析手法を提供する。対象分野・特許を絞り込み、サイテーションマップ(特許や論文などの引用関係図)で重要特許候補を抽出し、コンパラマップ(他社比較分析図)を作成。依頼者と探索先の特許や事業の相互親和性などを評価、提案している。