「国際シンポジウム経営幹部のためのグローバル知的財産・標準化戦略」で登壇したフィリップスの知財・標準化部門最高責任者、ブライアン・ヒンマン氏【拡大】
ようやく、1つの方向性が見えたかのようだ。昨年末からオープンイノベーション(OI)やオープン&クローズ(O&C)戦略に関するイベントは大企業知的財産部門などの参加者で満員御礼が続く。例えば「グローバルな知的資産経営戦略実践のための人材育成」(東京大学政策ビジョン研究センター)、「グローバル知財戦略フォーラム2015」(特許庁、工業所有権情報・研修館主催)、「国際シンポジウム経営幹部のためのグローバル知的財産・標準化戦略」(特許庁主催)などだ。
02年に知財立国宣言がなされ、03年頃にはOIの概念が指摘され、海外から多くの講師を招いたイベントも開かれた。当時、企業の受け止め方は「技術のアウトソーシングや協業など単純で友好的な知財活用の発想に立って理解していた感があった」(元公的機関知財アドバイザー)という。
だが、その後の電子機器産業などの不振から“技術や知財があっても、事業で負ける”日本企業の構造が小川紘一氏(現東大政策ビジョン研究センター客員研究員)や妹尾堅一郎氏(現産学連携推進機構理事長)らによって08年頃から解き明かされる。グローバルな事業戦略とともにデザインされたOIやO&C戦略が必要だということが徐々に理解され始めた。