「クライアントは、当社の姿勢を評価してくれている」と語る米OceanTomoのマラカウスキーCEO【拡大】
□米OceanTomo(上)
知財関連ビジネスを手掛ける米OceanTomoのジェームズ・マラカウスキー最高経営責任者(CEO)は今年、知財オークション事業を復活させるための準備を進めている。同社は2006年以降、高級ホテルを会場にしたリアルオークションを世界各国で年数回のペースで実施。累計で1億ドル(119億円)以上の落札を記録したが、09年に英ICAPへ同事業を売却した後、「競業避止義務期間」が設けられていた。特許庁の幹部は「適正な知財活用や権利行使を促進してくれるならば、日本の産業や知財ビジネスの活性化につながるのでは」とし、不当な訴訟ビジネスを行うNPEs(知財係争で収益を上げる企業)の参入には依然注意が必要であることを示唆する一方、「事業の選択と集中戦略において不要になった経営資源の棚卸しや売却を進めるツールに活用できる」と語る。マラカウスキーCEOに事業再開について聞いた。
--知財オークション事業を売却した後の中心事業は
「オピニオン・サービス(知財権侵害裁判での損害賠償額の鑑定意見書を出す業務)、マネジメント・サービス、ファイナンシャル・アドバイス・サービスの3分野に力を入れてきた。特許売買仲介分野としては企業売却や資金調達支援を実施。各事業は順調に成長している」