【飛び立つミャンマー】根本敬・上智大学教授の「ビルマ考現学」(5) (1/3ページ)

2015.6.5 05:00

タイで開かれた不法移民に対する特別会議で発言するミャンマー政府代表。ミャンマーはロヒンギャという民族名も認めていない=5月29日、バンコク(AP)

タイで開かれた不法移民に対する特別会議で発言するミャンマー政府代表。ミャンマーはロヒンギャという民族名も認めていない=5月29日、バンコク(AP)【拡大】

 ■ロヒンギャ難民問題の謎と闇

 イスラム系少数民族のロヒンギャ難民が乗ったいくつもの木造船が海上を漂流しているというニュースが、5月に入って世界をかけめぐった。その数は数千人にのぼる。難民の上陸希望先であるタイ、マレーシア、インドネシアの3カ国は受け入れを拒否、問題は深刻化するなか、5月29日に17カ国+オブザーバー2カ国(日米)が参加した国際会議が開催され、マレーシアとインドネシアが1年の時限つきで難民を保護することに決まった。しかし、本質的な問題解決には程遠い状況にある。

 ◆人身売買が発端に

 ロヒンギャ難民に目をつけた人身売買組織が、彼らから金を集め、故郷であるミャンマー西部のラカイン州西北部から密(ひそ)かに木造船に乗せてタイ南部に向かわせ、上陸後は陸伝いでマレーシアか、インドネシアに誘導する-。このような「ビジネス」はかなり前から行われていたようだ。今回、タイ政府による組織の取り締まり強化のため上陸した難民が行き場を失い、人身売買ルートが滞り、組織関係者によって殺されたり、置き去りにされたりし、この結果、報道されたような悲惨な事態に至った。まさに闇の世界である。

 問題は、関係するどの国もこの件について自分が責任を負うべきだと自覚していないことにある。難民に「やって来られた」側の苦しい事情は想像できるが、それを考慮しても、人身売買組織による難民の大量殺害が起きたタイやマレーシアは、その責任の重さに比して漂流する難民への対応が冷淡に過ぎる。

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