【アジアの目】総選挙前、思惑渦巻くミャンマー (1/3ページ)

2015.8.27 05:00

自らの選挙区で支持者に手を振るトゥラ・シュエ・マン下院議長。アウン・サン・スー・チー氏と組んだことで、欧米などは彼を改革派と位置付けるが、果たして…=21日、ネピドー(AP)

自らの選挙区で支持者に手を振るトゥラ・シュエ・マン下院議長。アウン・サン・スー・チー氏と組んだことで、欧米などは彼を改革派と位置付けるが、果たして…=21日、ネピドー(AP)【拡大】

 猿は木から落ちても猿だが、政治家は選挙に落ちたらただの人-とは、昔からよく言ったもので、政治家は選挙で落ちそうになると見境がない。かつて自民党分裂の際、守旧派と改革派とレッテルを貼りあって騒いだときを思い出した。

 ミャンマーの与党、連邦団結発展党(USDP)でのトゥラ・シュエ・マン委員長の解任劇は、惨敗が予想される選挙を前に、本来は陣頭で選挙を戦う責任を持つ委員長が、野党と組んで大統領になろうという自らの野望を達成しようとしたために起きたことだ。その彼を民主派、改革派と呼ぶのだから混乱する。

 ◆大統領への野心

 11月8日に予定されているミャンマーの次の選挙は上下両院、地方議会で一斉に行われ、USDPとアウン・サン・スー・チー氏率いる最大野党NLD(国民民主連盟)の事実上の一騎打ちとなる。ただ、票の操作など大規模な不正でも行われない限り、現状ではNLDの圧勝が予想されている。

 軍人枠が25%を占め、さらに少数民族政党などもあるため、NLDが単独で過半数を取るのは微妙だが、現職の与党議員の多くはNLDがボイコットした2008年の選挙で当選しており、次の選挙で多くが落選の憂き目をみるのは確実だ。

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