■個人・家庭での“備え” 具体的に役立つ情報に
東京都は首都直下地震などへの備えをまとめた防災ブック『東京防災』を作成、9月1日から各家庭や学校を対象に無料配布を始める。B6サイズでページ数は約340ページとコンパクトな大きさ。情報を簡潔にまとめてあり読みやすい構成だ。30年以内に70%の確率で発生すると予測されている首都直下地震。本を開くと冒頭に「今やろう」と黒い太字で印刷された文字が目に飛び込んでくる。序盤では、日常生活の中ですぐに取りかかれる10の防災対策が挙げられており、イラストでわかりやすく説明されている。
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■個人レベルで「防災力」アップ
特徴的な点は、避難行動よりも備蓄や部屋の安全確認など個人や家庭で行える対策に力点を置いていることだ。従来、自治体の防災パンフレットは一般的な抽象論も多かったが、本書は極めて具体的な対策に言及している。
背景にあるのは個人や家庭単位での防災力の向上を促そうという考えだ。行政に依存して避難するだけでなく、個人や家庭が安全な場所を積極的に作るための方法が記されている。