中国チベット自治区では近年進めてきた(人と自然が共生する)エコ文明建設が成果を上げ、生態環境が好転傾向にある。森林率(森林面積の全土に占める割合)は過去15年弱で8%超拡大、5年間では10%超増えた。
地球温暖化が進む中、チベットの平均気温も上昇、降水量が増加して水循環周期が短縮、凍土は急速に後退している。昨年は平均気温が例年を0.9度上回り、1961年以降7番目に暖かい年となった。
気候変動対策として同自治区の気象当局は、人工衛星によるリモートセンシング(遠隔探査)などの技術を積極的に活用、草原や湖、湿地、森林、積雪地、氷河の気象を観測し、穀物生産の安全性を監視している。
同自治区は中国の5大放牧地の一つ。天然の牧草地は13億2000ムー(1ムーは約6.67アール)に上り、全国の5分の1を占める。草原保護は生態系保護の重要部分であり、当局は「チベット自治区気候変動・草原モニタリング公報」を発表、草原エコ文明建設の指針としている。(経済日報=中国新聞社)