新聞協会賞を受賞した写真。御嶽山の山頂付近で救助を待つ女性は右手を小さく震わせ、助けを求めた=2014年9月28日【拡大】
日本新聞協会は2日、2015年度の新聞協会賞を発表した。編集部門では、産経新聞東京本社の「御嶽山(おんたけさん)噴火 『火山灰の中に生存者』のスクープ写真」(写真報道局・大山文兄(ふみえ)ニュース担当部次長)など4件が受賞した。授賞式は10月15日に大阪市で開かれる第68回新聞大会で行われる。
大山部次長は昨年9月28日、突然の噴火から丸1日が経過した御嶽山をヘリコプターに搭乗して取材した際、山腹で火山灰に埋もれ重傷を負いながら救助を待つ女性を発見し、その姿を800ミリの超望遠レンズで撮影した(ボディーはキヤノンEOS-1DX)。女性の生存を確認した上で翌29日付1面で報じた。大山部次長は、01年度の「衝撃に震える児童-大阪教育大付属池田小事件-」の写真に続く2度目の受賞。
授賞理由で「機上から、女性のかすかな動きをとらえて撮影した技術力は卓越しており、一面灰色の世界で助けを待つ女性を端に置いた構図は読者を引きつけ、報道写真の力をいかんなく示した。大災害のすさまじさを想起させる写真はニュース性が高く、優れた写真報道として高く評価される」とした。