【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(29) (1/3ページ)

2015.9.18 05:00

エーヤーワディ管区のピャーボンから援助物資を運んできた僧侶。彼らの援助活動が目立つのも今回の洪水支援の特徴だ(筆者撮影)

エーヤーワディ管区のピャーボンから援助物資を運んできた僧侶。彼らの援助活動が目立つのも今回の洪水支援の特徴だ(筆者撮影)【拡大】

 ■パゴダが避難所 洪水の村を訪ねて

 2015年7月中旬から断続的に降り続く雨により、ミャンマーは未曽有の大洪水に見舞われている。08年5月のサイクロン・ナルギスは、14万人の命を奪った、ミャンマー最大の自然災害と言われているが、今回の洪水は死者こそ100人余りと少ないものの、14ある州管区のうち12に被害がおよび、被災面積はナルギスを凌駕(りょうが)する。国内外の調査機関によると、8月末までに160万の人々と40万の家屋が罹災(りさい)し、140万エーカー(1エーカーは約0.4ヘクタール)の農地が破壊され、うちコメを中心とする立毛中の作物被害面積は100万エーカーにおよび、2万頭の役牛が失われたという。

 8月中旬に、ひざ上まで水に浸かりながら訪ね歩いた水害の村での見聞とインタビュー調査が今回の連載記事の出処である。エーヤーワディ川沿いのデルタ地帯の被害面積が最も大きいが、調査時点ではまだ水が引いておらず、ヤンゴンから100キロほど北方に位置するオッカン町近くのフライン川沿いの村々を訪ねることにした。ちなみに、この村々が属するタイッチー郡は、被害農地数がデルタ地帯の中では最も多い。

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