ノーベル賞の大村さん「人の役に立つ」胸に 巨額の特許料で美術館や病院建設

2015.10.12 05:00

 ノーベル医学・生理学賞に決まった北里大特別栄誉教授の大村智さん(80)は、寄生虫感染症に効く薬剤「イベルメクチン」の特許料などで得た巨額の収益を社会貢献につぎ込む。

 「子供のころ、面倒をみてくれた祖母が繰り返し言っていた」。大村さんは5日の受賞決定後の記者会見で、こう振り返り「人の役に立つかということが、分かれ道に立った時の基準にしていた」と語った。

 郷里の山梨県韮崎市にあるのは、大村さんが市に寄贈した「韮崎大村美術館」。隣には入浴施設「武田乃郷 白山温泉」も建てた。大村さんは「地方のためにと思って造った」と述べ、埼玉県北本市にある「北里大学メディカルセンター」も特許料の収入を使って建てられた。地域医療を担う総合病院だ。

 教育分野では、1995年に山梨県の人材育成を図る「山梨科学アカデミー」の設立に携わった。小中高校に科学者を派遣する出張授業や若手の研究者を独自に表彰するなど、未来の科学者を育てることに「頭が良くて理科ができるとかじゃなくて、ちゃんとした人間が育たないといけない。私もできることがあれば応援したい」と話す。

 大村さんと20年来の付き合いという韮崎市の伊藤紀元さん(75)は「いつでも地元のため、子供のため何ができるかを考えている。私欲より信念を大切にする人だ」と人柄を語る。

 大村さんは今年5月まで女子美術大(本部・東京)の理事長を務め、海外留学の奨学金制度を整えるなど、若い芸術家の育成に力を入れた。病院に患者の心を和ませるような作品を展示する「ヒーリングアート」にも熱心だった。

 大学の理事として大村さんを支え、6月から後任の理事長となった福下雄二さん(64)は「人との縁を大切にし、人を育てる生き方をしたことで、多くの支援者に恵まれて受賞につながったと思う」と話した。

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