原真理恵社長と昨年9月に生まれた長男。母親と経営者の仕事を両立している【拡大】
■グローバル時代に適した特許翻訳提言
特許庁によると企業活動のグローバル化で、日本から海外への特許出願件数は2013年時点で20万1400件と、04年からの10年間に約1.4倍伸びた。外国への特許出願に不可欠な翻訳で世界トップクラスの英RWS Groupの日本法人、RWSグループ(東京都港区)も日本での事業拡大を目指す。就任5年目の原真理恵社長(37)は、日本企業のため翻訳業務をグローバル時代に適した形へ変えることを提言している。
「大手企業の中には知財部が翻訳会社へ仕事を直接依頼することが増えつつあるが、日本企業の多くは依然慎重だ」と原社長は指摘する。日本では知財部と翻訳会社との間に国内の特許事務所が入って委託先の翻訳会社を選定、管理する方式が一般的だが、「知財部が翻訳会社を直接選定、管理する欧米で主流の方式に切り替えることで翻訳会社の業務や経費の透明性向上を図ることができ、戦略的な指示が出せる上に知財部の交渉・管理能力も高められる」とみる。しかし企業の変化への対応は遅く、英国本部からも疑問の声が投げかけられるという。