職人の手ほどきを受けて、金属加工技術の「へら絞り」を体験する女の子=東京都大田区【拡大】
「職人カードを下さい」。小学生だけでなく大人も交じって見学先の町工場で出迎えてくれる技術者に声をかける-。11月28日、「第5回おおたオープンファクトリー」が始まり、東京都大田区西部の下丸子、武蔵新田地域27社の工場が公開され、家族連れや学生、生徒など多くの参加者でにぎわった。同区を中心に活動する事業主で組織する工和会協同組合と大田観光協会、首都大学東京、横浜国立大学が開催する地域創生イベントだ。
職人カードは今回、初めて採用されたお楽しみプログラム。地域を代表する技術者17人の似顔絵が描かれ、得意技と社名も書かれている。1種類当たり75枚の限定版で、各技術者が在籍する17カ所の工場に用意されていたが、初の試みだったこともあって多くの参加者に配布され、昼過ぎには全てなくなった。
従業者9人以下の中小事業所が3000社以上集積する同区は、機械や電機、航空宇宙、医療など先端産業を支える高度な基盤技術を備えたモノづくりの街として世界に知られている。
オープンファクトリーの参加者は地域を巡りながら、そこで働く技術者自らの説明によって、モノづくりの技術やその活用先、技術者の仕事場や日常の様子まで知ることができる。技術者との気軽な会話の中で、最先端の機械だけではカバーできない職人技の重要性とその伝承問題、特許とノウハウの必要性、地域に技術者が集積することで形成された連携ネットワークの強みなど、多くの事柄が語られる。