公共交通網脅かす人口減少 15年間で37路線が不採算撤退

2016.1.12 05:00

 地方でのマイカー利用の増加や急速に進む人口減少を背景に、地域住民の生活の足である鉄道やバスなどの公共交通の運営は厳しい状況が続く。地域の交通網の維持に向けて、地方自治体の役割が重みを増している。

 国土交通省によると、中小私鉄や第三セクターが運営する「地域鉄道」の2013年度の輸送人員は、1990年度に比べ22%減の4億人で、乗り合いバスは35%減の42億人となった。

 ここ数年はほぼ横ばいで、利用者減は底を打ったとみられる。ただ、多くの事業者は経営が苦しく、2013年度は地域鉄道の74%、30台以上を保有している民間乗り合いバスの71%が赤字だった。

 不採算路線からの撤退も後を絶たない。鉄道や路面電車などは00年度から15年間で37路線、計754キロが廃止。乗り合いバスは09年度から5年間で計6463キロの路線が代替の輸送手段がないまま廃止された。

 バス事業は00年代前半の参入規制の緩和により、収益性の高い貸し切りや高速バスの競争が激化。これが事業者の赤字路線からの撤退を加速させたとの指摘もある。

 政府は事業者任せの状況を改めようと、07年に地域公共交通活性化再生法を制定。自治体が中心となって交通体系の再編計画を作る仕組みを導入した。14、15年の法改正ではまちづくりとの連携や支援を充実させた。

 国交省の担当者は「自治体が観光振興などの地域戦略と公共交通の再編を一体的に考えることが必要だ」と話している。

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【用語解説】地域公共交通活性化再生法

 2007年の制定時には、市町村が主導して地域の交通体系の再編計画を作ることを規定していた。廃止されるバス路線へのコミュニティーバスの導入といった個別の対応に偏ったケースが多かったことから、14年の改正で都道府県が広域的な観点から計画策定に関与できるよう見直された。計画に基づきデマンド型タクシーの運行などの事業が国に認められれば、財政支援や法律の特例措置といったメリットがある。

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