国際裁判管轄の企業間合意、初の無効判断 アップル訴訟、国内審理へ 東京地裁

2016.2.16 13:28

 アイフォーンなどを販売する米デジタル家電大手「アップル」に、部品下請け「島野製作所」(東京都荒川区)が約100億円の賠償を求めていた訴訟で、「(両社の)紛争は米国の裁判所で解決する」との合意が有効かどうかについての中間判決が15日、東京地裁で言い渡された。千葉和則裁判長は「両社の合意は、合意が成立する法的条件を満たしておらず無効」と判断、国内で審理することを決めた。国際的な裁判管轄をめぐる企業間合意を無効と判断するのは初めて。今後、企業間の訴訟に影響することも予想される。

 裁判では損害賠償請求の審理に先立ち、「どの国の裁判所で審理するか」という「国際裁判管轄」が争われた。両社が契約時に「紛争は(アップル本社がある)米カリフォルニア州の裁判所で解決する」と合意していたためだ。

 アップルは「日本での提訴は合意に反し無効」と主張。一方、島野は「合意は独占禁止法が禁じる(アップル側の)優越的地位の濫用(らんよう)の下で結ばれたため不当だ。国内で審理されるべきだ」などと反論していた。

 15日の中間判決で、千葉裁判長は「裁判管轄の合意は、国際事件であれ国内事件であれ、一定の法律関係に基づいた訴えに関して結ばれたものでない限り無効だ。それは片方の当事者が不測の損害を受けることを防ぐためだ」と指摘。「両社の合意は『契約内容との関係の有無などにかかわらず、あらゆる紛争はカリフォルニア州の裁判所が管轄する』としか定められていない」とし、合意は広範すぎるため無効と判断した。

 中間判決への異議申し立てはできず、審理は東京地裁で行われることになる。

 訴状などによると、島野は平成24年、電源アダプタのピンを納入していたアップルから増産要求を受け、設備投資を実施したが、直後に取引を急減させられた。取引回復を求めたが、納入価格を半額以下にするよう要求され、さらに「納入済みの在庫部品にも値下げ分を適用する。約159万ドル(約1億6千万円=当時)のリベートを支払え」と求められた。島野はいずれの要求にも従ったが、その後、「突然の取引急減や値下げ要求、リベート要求は不当だ」として提訴していた。

 中間判決を受け、島野は「代理人弁護士と裁判官に敬意を表す」とコメント。アップルは「コメントできない」としている。

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