音楽など著作権保護70年に 文化審議会改正案、TPPに対応

2016.2.29 05:00

 国の文化審議会は28日までに、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に備えて著作権制度改正の具体案を固めた。映画や音楽、書籍などを違法コピーした海賊版の販売を捜査当局の判断で摘発できるようにし、取り締まりを強める。作者の死後50年としてきた音楽や書籍の著作権保護期間は、70年に延長する。懲罰的な高額の請求を可能にする新たな損害賠償制度の導入は見送る。

 政府は審議会の考え方に沿って今国会で著作権法を改正し、2018年以降と見込まれる協定発効に合わせて施行する方針だ。

 TPP交渉参加12カ国のうち日本とベトナムでは、作者らの告訴がなければ著作権侵害を摘発できない。だが協定は、海賊版販売のような営利目的の侵害を告訴なしで摘発できる「非親告罪」にするよう定めており、審議会ではルールを共通化するのが適切だとの考えが大勢を占めた。

 ただ原作に似たキャラクターを登場させるパロディー作品は、摘発強化の対象から除外する。原作者がファン活動の一環として黙認している例も多く、審議会では「創作の多様性を尊重すべきだ」との擁護論が強かった。摘発強化の対象は、原作をそのままコピーし、著作権者の利益を不当に侵害している場合に限定することになる。

 保護期間が延長されれば、作者の遺族らが使用料を得られる期間が長くなる一方、著作権が切れた文学作品をインターネットなどで無料で読める時期は先送りになる。映画の保護期間は既に、公開後70年とされている。

 協定は、海賊版などの被害を受けた場合、作品ごとに定めた基準に基づいて著作権者が賠償金を得られる制度の創設を求めている。米国では懲罰的な意味を込め、実際の被害を超える高額の賠償を求める例もあるが、審議会では「日本の法体系にはなじまない」「訴訟の乱発を招く」と慎重論が強かった。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。