【高論卓説】図書館は研究者の生命線 学際研究、情報駆使して真剣勝負 (1/2ページ)

2016.3.9 05:00

 研究の進歩が加速している。ちょっと前までは一つの方法論を武器に20年は世界の一線で戦えた。つまり、大学院の頃、習い覚えた学問体系と手法で50歳前後まで頑張り、後は若い研究者を指導(搾取)しつつ、学会や組織間の利害の調整に時間を使って60歳の定年を迎えるというのが研究者の典型的なライフサイクルだった。

 ところが今や、世界中の研究者との競争のため、ちょっとした手法の有利は5~10年で陳腐化してしまう。優秀な若手研究者が頑張って定職に就いて、40代になった頃に、彼(彼女)を支えていた手法が賞味期限を過ぎ、定職に就いた安心感と雑用の嵐に埋もれて、一気に保守化して研究者としては脱落していく例をよく見る。定年はどんどん伸びている。せっかく博士号を取得したのに、実質的には10年しか研究者として活動しないのは、もったいない気がする。

 近年進歩の著しいITは、中年・初老の研究者に福音をもたらしている。ほとんどの研究誌が電子化されたので、研究室にいながらにして、多くの論文のコピーを集めて一気に読めるようになった。また、必要な情報(研究論文の書誌情報を含め)はインターネットで検索をかけ瞬時に得られる。これらを駆使すれば、衰えがちな体力(集中力)と記憶力を補って、研究に必要な情報を一気に頭の中に詰め込むことができるのだ。

 私が学生の頃は、大学の図書館に籠もって、書庫の中を這(は)いずって目的の雑誌を見つけ、せっせと自分でコピーしなければならなかった。この作業だけで小一時間はかかり、せっかく頭の中に蓄積しつつあった研究情報も消えて、一から考え直しとなっていた。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。