麻生太郎財務相は2日、田中一穂財務事務次官(60)が退き、後任に佐藤慎一主税局長(59)を昇格させる人事を固めた。政府内の調整を経て月内にも発令する。
財務次官には予算編成を担う主計局長が昇格することが多く、それ以外から就くのは1999年以来、17年ぶり。主税局長から直接昇格するのは35年ぶりとなる。
佐藤氏は2014年に主税局長に就任。消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率の制度設計や、法人税の実効税率引き下げの検討作業を指揮した。
財務省・旧大蔵省では主税局長、国税庁長官を歴任した薄井信明氏が99年7月に事務次官に就任した後は、主計局長の指定席になっていた。
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【プロフィル】佐藤慎一氏
さとう・しんいち 東大卒。1980年大蔵省(現財務省)。官房長を経て2014年7月から主税局長。大阪府出身。