タイ、軍政の行方占う陸軍司令官人事 9月に定年退官、後継争い激化 (1/3ページ)

2016.8.5 05:00

タイ王国陸軍のティーラチャイ司令官(前列左)と次期司令官と目されるピシット参謀総長(同右)=タイ王国陸軍提供
タイ王国陸軍のティーラチャイ司令官(前列左)と次期司令官と目されるピシット参謀総長(同右)=タイ王国陸軍提供【拡大】

 軍事政権下で秒読み段階に入ったタイ新憲法案の国民投票。市場調査や国民の意識調査などを行う独立系のタイ国家開発管理研究所(NIDA機関)の7月調査で、8月7日の投票日を前に6割の国民が賛否をまだ決められないでいるなど、有効性そのものが危ぶまれる。加えて、ここにきてもう一つの「難問」にも関心が集まっている。軍政最大の後ろ盾、タイ王国陸軍の軍司令官後継人事だ。現職のティーラチャイ・ナークワーニット司令官は国民投票翌月の9月に定年退官を迎えることが決まっており、その後釜に誰が座るのかをめぐって水面下で駆け引きが激しくなっている。

 ◆不正疑惑で首相批判

 「順当ならば、東方のトラ派に属する参謀総長のピシット・シッティサーン陸軍大将の昇任で決まりだが、ラーチャパック公園問題があるので不透明だ。プラユット首相も相当に頭を悩ましている」。こう話すのは、ウドムデート・シータブット前陸軍司令官(現国防副大臣)側近の元秘書官。

 ラーチャパック公園問題とは、バンコクから南西に約200キロ、王室保養地で有名なフアヒンの陸軍保有地に敷地面積約35万平方メートルの公園をつくり、スコータイ王朝以降の歴史上功績があったとされる7人の国王の立像を建設し、王室の偉業を顕彰しようとした事業をめぐる「疑惑」のことを指す。昨年8月の完成を迎えたころ、建設の過程で不正があったとの指摘が浮上。事業の責任者だったウドムデート司令官(当時)とプラユット首相が批判の矢面に立たされる場面があった。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。