【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】「オートファジー」 医療への応用研究進む 神経疾患、がん治療に期待 (1/2ページ)

2016.10.3 20:58

「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる仕組みを解明した大隅良典・東工大栄誉教授=7月、横浜市の東工大すずかけ台キャンパス
「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる仕組みを解明した大隅良典・東工大栄誉教授=7月、横浜市の東工大すずかけ台キャンパス【拡大】

 ノーベル医学・生理学賞が決まった大隅良典氏(71)が仕組みを解明した細胞の自食作用「オートファジー」。細胞内での栄養供給や浄化、防御の機能を担う現象で、神経疾患やがんなどの発症に関係していることがマウスなどの実験で分かってきた。この働きを促進したり、阻害したりすることで治療法の開発を目指す研究が進んでいる。

 国内で研究成果が目覚ましいのは神経疾患の分野。神経細胞内にたまった異常なタンパク質は通常、オートファジーで分解され、蓄積を防いでいることが分かってきたからだ。

 大隅氏に師事した東京大の水島昇教授らは平成25年、脳内に鉄分が蓄積して障害を起こす神経変性疾患「SENDA」の原因は、オートファジーの遺伝子異常であることを発見した。

 また東京医科歯科大のチームは27年、過度の食事制限で脳細胞が栄養不足になると、アルツハイマー病が悪化することを突き止めた。栄養不足になると、細胞内に異常なタンパク質が過剰に増加。オートファジーで分解しきれず蓄積され脳細胞が死んでしまう。

 微生物化学研究会のチームは今年6月、細胞内の異常なタンパク質をオートファジーが見つけて隔離する仕組みを解明。パーキンソン病の予防や治療方法の確立に役立つ可能性がある。

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