【生かせ!知財ビジネス】米国裁判所へ引きずり出される日本企業本社 (1/2ページ)

2016.12.23 05:00

 米国の訴訟手続きが大きく変わる可能性が出てきた。12月初め、米連邦最高裁判所は「ハーグ条約(民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約)では、国際郵便による(原告から被告への)直接訴状送達を認めているか」について争う裁判の上訴を受理してしまった。米国では同裁判に関して当事者や第三者が意見書を提供する法廷助言制度「アミカスブリーフ」の下、法曹関連団体や進出している外国企業などが賛否それぞれの立場で意見提出を準備中だ。一部日本企業も米法律事務所からの情報提供により、複数の外国企業と共同で提出準備を始めている。

 知財専門の米法律事務所弁護士は国際私法に関する条約について最高裁に判断する管轄権があるかを疑問視しながらも、「最高裁で原告から被告に国際郵便による直接送達が認められたら、特許侵害に限らず米国のあらゆる訴訟で日本企業の本社を直接訴えることが非常に容易になる。日本の本社そのものが米国で裁判所へ引きずり出され、厳しいディスカバリー(証拠開示手続き)への対応を余儀なくされるかもれない」と警告する。

 現状では、米裁判所で日本企業を訴える場合、訴状は米裁判所、米国務省、日本の外務省、日本の裁判所を経由して届けられる。翻訳文や証明書類などの添付も必要で、多くの手間と費用がかかる。

 対する日本企業は米国の法律事務所を使って訴状を受け取る代わりに、通常は20日間の訴状に対する回答の提出期限を延長する交渉をして、その間に対応を検討し和解交渉を始める策をとるなど、手間を省きたい原告側を揺さぶる。結果、訴状送達が容易な米国子会社だけが訴えられ、日本の本社は限られた証拠開示手続きで済ませることを主張する、という戦略が使えた。

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