ASEAN各国を“門下生”に 特許庁、知財制度浸透へあすから初研修 (1/2ページ)

 特許庁は東南アジア諸国連合(ASEAN)各国に日本標準の知的財産制度を根付かせようと、14日からラオスで審査官希望者に初めて研修を実施する。マレーシア、フィリピン、ベトナムでも新人審査官の研修を請け負う予定だ。知財保護の体制が不十分な発展途上国や新興国で新人教育や法制度を指南して“門下生”を増やし、日本企業の進出を後押しするのが狙い。

 ラオスの知財当局には審査官が一人もいない。特許や商標といった知財権の出願を受けても確認できるのは書類の形式のみで、本当に新しい発明かどうか先行事例を調査・判断する作業は海外に委託している。

 特許庁は今回、審査官就任を希望するラオスの知財当局職員に対し特許審査の基礎を指導。今後、正式に任官する場合はより高度なカリキュラムを検討する。

 一方、マレーシア、フィリピン、ベトナムでも初めて新人研修を請け負う。日本の審査官教育で用いる教科書をベースに各国の要望を受けた学習計画を作り、ITや機械、バイオといった特に習得したい分野の審査技術は重点的に教える。

 東南アジアでは新興国でも多くの国で審査官の数が百人未満にとどまり、1件の審査に数年単位の時間がかかることもある。特許庁は増員を支援して手続きの早さだけでなく質の向上も図り、日本国内と同様の出願内容なら権利が認められるようにしたい考えだ。

 ASEAN各国は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を含む巨大自由貿易協定(メガFTA)の妥結を見据え、世界レベルの知財保護体制を整える必要がある。日本には知財の専門家育成など貿易投資の支援策を通じ、ASEANを味方につけてRCEP交渉を有利に運びたい思惑があり、今後も門下生を増やしていく方針だ。

特許庁が行う主な協力事業

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