【生かせ!知財ビジネス】広がる特許情報の活用領域 (1/2ページ)

買収企業(大きい円)と被買収企業(小さい円)の研究領域を特許情報で解析した図。投資銀行の投資評価に使われ始めている
買収企業(大きい円)と被買収企業(小さい円)の研究領域を特許情報で解析した図。投資銀行の投資評価に使われ始めている【拡大】

 わが国最大の知財関連イベント「特許・情報フェア&コンファレンス」(PIFC、主催・発明推進協会など)が10日まで、東京都千代田区の科学技術館で開かれている。今やビッグデータの収集・解析は販促、気象の世界から製造、生体などの世界まで拡大しつつある。同時に、ビッグデータの一つである特許情報の収集・解析をしてきた企業の知財部門の役割も変わり始めている。盛況のPIFCの中で、人気の情報解析サービス分野の出展企業には、例年以上に多くの来場者が訪れている。

 例えば、顧客のコールログやネットアンケートなどのデータ解析を支援する都内の大手コンサルティング会社は、それらのテキストマイニング(文字データからの情報抽出)により顧客のニーズを見える化して対策を練るだけでなく、特許や論文の情報を組み合わせて解析することで製品・サービス開発の支援をしようとしている。

 一方、日米に拠点を持つアルゴリズム開発会社は現在、世界中のインターネット上に散在する健康に関する情報をクローリング(巡回・複製)し、収集して健康へのニーズを解析し、そのニーズを埋める可能性のある技術を世界中の特許情報から抽出しようとしている。狙いはヘルスケア事業分野での新たな事業領域の探索だ。

 両社の目指す方向は似ている。まだ見えない事業領域を顕在化させるため、ニーズと特許データを解析した結果を提供しようとしている。ニーズと結びつく特許や技術がなければ新たな開発領域となり、研究成果や技術を持つ大学やベンチャーがあれば投資対象となる。もともと研究開発部門に付随した特許部門として生まれ、特許獲得と防衛の役割を担ってきた知財部門には、事業創造という新たな仕事が与えられるわけだ。

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