【風(2)超氷河期の就活】1割がエントリー100社…数を競う矛盾 (1/2ページ)

2010.12.7 14:34

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(1)内定5割台…「どこでも良い」途方に暮れる日々に戻る

 前回は「超氷河期」の就活事情の一端を紹介した。その過酷さに驚かれた方も多いのではないだろうか。

 しかし、「100社にエントリーした」「10社から内定を得た」といった、数ばかりを競うようなネット上の書き込みを見ると、違和感を覚えてしまう。筆者(29)自身の就活体験との差が大きいからかもしれない。

 筆者は平成17年4月に入社した。厚生労働省の調査では、同年3月に卒業した大学生の16年10月1日時点での就職内定率は61.3%。過去最低を記録した今春卒業予定者の57.6%と比べれば高いが、過去10年間で3番目に低かった。

 楽天的な性格なのだろう、当時の筆者はそれでも「なんとかなるのでは」と考えていた。もともと新聞・出版業界に絞っていたため、企業の合同説明会とは無縁で、OB・OG訪問もしなかった。初めて最終面接にたどりついたのが産経新聞で、そのまま運良く内定を得られた。念願の職業に就けることが決まり、間もなく就活は中止。結局、エントリーした社は10社に満たず、実質的な就活期間は3カ月程だった。