東大は、東京大学新聞の集計によると1位が三菱商事、2位が日立製作所、3位が楽天で、ベスト3にメガバンクは入っていない。
大学研究家の山内太地氏は、メガバンクへの就職力は「多数の卒業生がいるかどうかに尽きる」と説明する。
「慶大の場合、各ゼミがOB会を開くとメガバンクの支店長クラスが参加する。そのとき受付を担当するのは現役生で、就職活動に有利な人脈形成ができる環境にある。一橋もOBが与える影響は強い。両校の牙城にこれから他の大学が食い込んでいくのは難しいだろう」
慶大に入れば安泰、というわけでもない。「金融機関に強いのは経済学部、商学部、法学部の順で、文学部は少ない」(山内氏)と、同じ大学のなかでも“格差”がある。受験生の大学選びは、学部選びにも慎重さが求められる。
もちろん、慶大や一橋以外にもチャンスはある。「銀行側が困るのは安定志向の学生。ほしいのは業績アップに貢献できる突破力のある人材」(前出の安田氏)というなかで実績を残しているのが明治大だ。学生は「明るく活発」と評価が高く、メガバンクが求める人材と合致。みずほに47人、三菱東京UFJに32人、三井住友に17人と結果を出している。
夢を後押ししてくれるのはどの大学か。大学新卒者の就職活動は、実は10代後半のこの季節にスタートしている。