売れ行きが好調な泡で筆を洗う筆用洗浄剤「筆シャン」【拡大】
墨汁や絵の具で硬くなった筆を泡で洗うという新しい発想で、洗車用の洗剤などを製造販売する広島県三次市の「リピカ」が、熊野町の熊野筆メーカー「●古堂(ほうこどう)」と筆のシャンプー「筆シャン」を共同開発した。発売開始の昨年12月から今年3月末まで販売本数は4千本を超え、年間生産本数を当初予想の5千本から4倍の2万本に上方修正するヒット商品になった。
筆シャンの開発は、筆の根本で墨が固まる「墨溜まり」した筆の修理が●古堂に多く寄せられることがきっかけだった。修理には時間と労力がかかる。そこで、リピカが自社の技術を生かし、墨溜まりを分解する液体洗浄剤を作った。
筆シャンの主成分は天然由来の植物酸で、筆を傷めるアルコールや油分などは含まれないため、筆の毛が広がらず、しっとりした洗い上がりになる。子供も使いやすいように液体が泡で出るポンプを採用。パッケージにはかわいらしいヒツジの絵をあしらった。
使い方はポンプから出た泡を筆につけ、筆の根本から穂先に向かって優しく押し出すように洗い、水ですすいだ後、形を整えて陰干しする。
リピカでは「筆を洗う商品がここまで売れるのは驚きだった。多くの子供たちに使ってもらいたい」としている。
筆シャンは100ミリリットル入りで1260円。百貨店や全国の書道用品店などで販売している。問い合わせはリピカ((電)0847・67・5480)。 ●=にんべんに「方」